《デレゲーション(任せる)》

 マネージャー入門より

 デレゲーション(任せる)を行う
 
マネージャーの初期の段階では、部下に仕事を任せるのが苦手な人が多いのではないでしょうか。しかし、ひとりの人間が対応できる仕事量には限りがあります。部下と共にチームで仕事をすることで、自分ひとりで行うよりも何倍、何十倍もの成果を出すことができるのです。そこで必要となるのがデレゲーション(任せる)です。
 
デレゲーションとは文字通り“他の人に仕事を任せること”です。マネージャー初期の段階でデレゲーションを行う際に大切なことは『2・6・2の法則』における6割の中間層が対象と考えることです。
 
上位2割の優秀な社員は自分で考え行動できるので、必要以上の仕事の指示は相手のモチベーションを低下させかねません。一方、下位の2割の社員の場合、デレゲーションに固執しすぎると組織に悪影響を及ぼす可能性があります。あまりにもやる気のない人の対応は、プロジェクトメンバーから外すなどの組織的な対応が必要でしょう。
 
こうした理由から、6割の中間層がポイントになるのです。
 
そこで大切な事は、仕事を任せっぱなしの“放任”にならないように注意することです。『信頼すれど信用せず』の精神で上司の立場から確実にチェックし、指示した限りは最後まで面倒を見る必要があります。部下のやる気や行動を信用しても、失敗したら自分で責任をとるのがマネージャーの務めです。