《職場での同僚でのゴマすり》

 人生相談Q&Aに“職場での同僚のゴマすりがたまらなくイヤだ”という内容のものがありました。少し関心をもったのでご案内します。

【質 問】
 たいして能力もない同僚が、ひたすら上司におべっかを使い、出世街道を走っています。それに引きかえ、是非を明確にしないと気のすまない私は、上司から評価されません。こんな会社辞めてしまおうと思いつつ、悶々と日々を送っています。  K・Aさん 31歳

【回 答】
 K・Aさんの筋を通す生き方も立派ですが、現実社会では、このような人は嫌われます。会社人としての実力とは、上司・同僚・部下との対人関係における表現力でありコミュニケーション力といっても過言ではありません。特に営業・販売・広告・渉外等という分野では、誠心誠意ゴマすりを行うのが仕事と言えます。
 仕入や資材や経理部門なら、まだそれほどゴマすりは必要ないでしょう。しかし、会社が人間関係によって成り立っている限り、多かれ少なかれ、ゴマすり的要素を抜きにしては仕事はできません。これは、どんな会社に移っても同じことです。
 ただ問題となるのは、上司にだけ偏ったゴマすりです。それは同僚や部下が不愉快な思いをするからです。上司にも、同僚にも、部下にもまんべんなくゴマすりができて、しかもそれが持続するのが本物のゴマすりです。そういう人は、皆から愛されて必ず出世します。
 ところで、K・Aさんは、ゴマをする人の苦労や大変さを御存知でしょうか!ゴマをするとは大変ストレスのたまる行為です。相手の我がままを認めたうえで、それを和ませる集中と話術と礼節の要る行為なのです。
 ですから、ゴマも一人前にすれない人が、ゴマすり人間の苦労や努力も知らず、それを批判するのは言語道断だと思います。単にそれは、その人の出世をねたむ嫉妬だと思いませんか。