《叱ると怒る》

 皆さんは、動機づけの手法として“叱ると怒る”をどのように使い分けているでしょうか!そこで今日は、“叱る”について少し考えてみたいと思います。

 そもそも辞書によると、“叱る”というのは江戸時代では、お白州に呼び出して、間違いや誤りについて叱責をして正すことによって、悔い改めさせるという刑罰だったそうです。
 
 こうしたことから導き出されるのは、“叱る”ことは、【叱られた相手を正しい方向へ導くための手段】だということです。

 一方“叱る”と似た言葉に“怒る”というものがありますが、私たちはこの二つの言葉を混同してネガティブな意味に捉えがちです。
 
 では、“叱る”と“怒る”は何が違うのでしょうか?

 “叱る”は、前述したように相手を諭して正しい方向へ導く手段であるのに対し、“怒る”は自分の感情をぶちまけるということではないでしょうか。言い換えれば、“叱る”は理性的、“怒る”は感情的といったところになりますね。

 ところで皆さんに質問をしたいのですが、“叱る”の反対語は何だと考えますか・・・・・・!
 すぐに思いつく言葉としては、“ほめる”が思い浮かぶかもしれません。ただ、ちょっと考えてみてほしいのですが、“叱る”も“ほめる”も、ある一定の行動(望ましい行動としましょう)を相手を取ってもらうことを目的としています。従って手段こそ違えども行き着く先は同じなのです。このような視点で見た場合には、“叱る”の反対語は“叱らない”ということではないでしょうか!

 “叱らない”ということは、相手に期待もせず、意思も伝えず、興味も持たない状態、ある意味【スルーした状態】みたいに感じてしまいます。最近『叱れない上司』という言葉をよく耳にします。愛情を持って部下と対峙することも時として大切なことと思います。