《見える化を考える》

 2000年に入ってから、“見える化”という言葉を使って企業の≪業務改善≫や≪問題解決≫への取組みがなされてきました。今日は、“見える化”について少し考えてみたいと思います。

 『見える化』という言葉は一見きわめて平易な言葉ですが、まずは・・・見える化とは・・・見たくなくても目に飛び込んできてしまう、そんな状態を作り出すことです。別な表現をすれば、【見せる化】と言うことでしょうか。企業活動においては、異常や問題が露見する前に、小さな変化や予兆をつかみ『見せる』ようにすることが、大事故・クレームを防ぐ大切なポイントになります。

 『見える化』は広い意味では情報共有であり、相手が『見よう』という意思を持っていることが前提になっています。

 ですから、『見える化』の基本は、相手の意思にかかわらず、さまざまな事実や問題が『目に飛び込んでくる』状態を作り出すことであり、【見える】から【見せる】に進化させなければならないのです。

 もう一つ重要な事は、『悪い情報』『後ろ向きの情報』が【見せる化】されることです。この種の情報は、本来『見せたくない』情報であり、放っておくと見えません。しかし、“悪さ”を早く発見・共有できれば、手遅れになる前に手を打つことができ、『見せる化』の価値も大きくなります。ですから、現場でおきている『悪い情報』を徹底的に見せるようにすることがポイントなのです。