《みんな頑張ったという悪平等》

 『みんな頑張ったよね』というあいまいな評価しか下さないシステム。つまりエースとして頑張った人も褒めなければ、縁の下の力持ちとして頑張っている人も褒めず、皆の努力に“ただ乗り”していた人、足を引っ張っていた人までも含めて『みんな頑張った』と言ってまとめることが良いことであるかのような雰囲気ができあがっていく組織があります。

 『みんなよく頑張りました』ということを強調する組織の究極の姿は、表彰も叱責もできるだけ避けようとする姿勢が蔓延しているように感じます。長期雇用の組織では、ずっと一緒に仕事をしていくので、仕事の成果よりも人間関係の配慮が意識されすぎるきらいがあります。だから、誰かが良い仕事をしても『あまり褒めてしまうと、褒められなかった人ががっかりする。褒められなかった人の気持ちを考えるべきだ』といった弱者に対する配慮が強く出てしまうのかもしれません。まるで、小学校の運動会で順位をつけない光景をみるようです。

 企業はなんといっても経済組織体ですから、社員のため・株主のため・社会のため利益を上げなければなりません。その利益という目標に貢献する人々を、一番から順番にすべて並べるとまでは言いませんが、ある程度きちんと評価する必要があると考えます。