《否定命令》

 人が頭の中で一度に描けるイメージは一つだけです。
 肯定的なことを思うと同時に、否定的なことを意識することはできません。

 勝つシーンと負けるシーンを、同じ画面に描くこともできません。ですから、あなたが誰かに何かを伝える時は、その人に『何をイメージさせるか』がとても重要になります。
 
 そこで今回は『否定命令』 『肯定命令』について考えてみたいと思います。
 『今日も一日、事故の無いように気を付けて仕事をしましょう』【否定命令】
 『今日も一日、身の安全をしっかり確保して仕事をしましょう』【肯定命令】

 脳は『~~してはいけません』という命令に対しては、はじめに『~~された状態』をイメージしてから、意識して否定するというステップを踏むのです。さらに『心のスクリーンに描いたイメージ』は、そのイメージを実現させようと無意識に力を働かせ、身体を反応させます。

 子供に『転ばないで!』と注意すると、子供が思い描くイメージは自分が転んでいる姿であり、転ぶ確率が高くなります。転ばせたくなければ、『ゆっくり、前を見てちゃんと歩いて!』と伝えるのが正解です。

 ついつい否定命令が口から飛びて出てしまいます。意識しないといけませんね。