《企業の組織文化》

※強い文化 対 弱い文化

 最近企業の組織文化において、強い文化と弱い文化を区別する考えがますます高い指示を得ています。これは、強い文化は従業員に対する影響がより強く、転職を減少することに直接関連するという議論です。

 強い文化の特徴は組織の中心的価値観が強く保持され、しかも広く共有されているということです。中心的価値観を受け入れる従業員の数が多く、このような価値観への関与が強いほど、強い文化となります。

 一方弱い文化は、あいまいさ、不明確さ、あるいは一貫性の欠如を特徴とした文化ということになります。前述の定義によれば、強い文化はそのメンバーの行動に対して強い影響力を持ち、高いレベルの共有意識と価値観へのコミットメントの度合いにより、メンバーの行動が厳格に管理される内部環境がつくり出されることになります。

 たとえば、ノードストロームというアメリカの有名な企業は、小売業界において最も強力なサービス文化を構築した一例です。ノードストロームの従業員は、自分たちに期待されていることを明確に理解しており、こうした期待が彼らの行動を形成するうえで大きな役割を果たしているのです。

 強い文化の具体的結果は従業員の転職率の低さとして確認することができます。強い文化では、組織が拠り所とする基盤に関して組織メンバーの強い一致が見られます。そのような目的の一致から、団結、忠誠および組織関与が生じ、これによって従業員が組織を去る傾向が減少するのです。