《アスペルガ―症候群》

 次の文を読んで、問に答えなさい。

 一郎さんと花子さんは、味がよいことで評判の高級レストランに入りました。ところがレストランは人でいっぱい、なかなかボーイさんが注文を取りに来ません。
 30分くらい待たされてやっとボーイさんがやってきました。ところがこのボーイさんは態度が悪く、30分も待たせたのに、まったく詫びる気配もありません。
 一郎さんはボーイさんに言いました。

『ふーん、さすがは高級レストランだね』

 それでは、質問です。

※最後の言葉を言った一郎さんの気持ちは次のどれでしょう。
①待たせてもあやまらないボーイの態度に感心した。
②高級レストランらしいボーイのふるまいをほめた。
③ボーイさんの態度に腹を立てた。

 なんでこんなものが問題になるのか?と思われるだろう。正解は当然③だ。ところがアスペルガ―症候群の人には、①や②を選んでしまう人がいるのだ。それは、アスペルガ―症候群の人は、言葉とその言葉が運ぶ感情を認知することが苦手だからだ。
 アスペルガ―症候群の人は、対人的認知機能に問題があるので他人の気持ち、感情を理解するのがうまくできない。

 研修を実施していると『我社にもアスペルガ―らしき社員がいます』といったことを耳にします。
 複数の仕事を言いつけるとパニックになってしまうので、ひとつ終了したら新たに与えるという配慮が必要なのかもしれません。
 三月四月は、新しい人材が入社する時期です。個々人にあわせた対応も必要です。