《ファシリテ―ションを考える》

 『ファシリテ―ション』という言葉を私が最初に耳にしたのは、今から三十年ほど前に受講したセミナーでした。コミュニケーションを中心にした内容だったと記憶していますが、その時に進行役の方を『ファシリテーター』と呼んでいました。初めて聞く言葉に新鮮味を感じたことを憶えています。

 ファシリテ―ションを直訳すると『促進する』とか『物事を容易にする』といったような意味になります。少し前までは、『コーチ』とか『メンタ―』といった相談者を社内に育成する傾向がありましたが、最近は『ファシリテーター』の養成が主流になっていると感じています。コーチ・メンタ―・ファシリテーターの違いをうまく説明出来ればいいのですが、勉強不足で今の私にはどうも説明できそうにありません。立ち位置としては、メンタ―は本人の前、コーチは本人の横、ファシリテーターは後ろといったところでしょうか!

 現在弊社では“活力ある組織創り”を目的に、数社ファシリテーターの養成を実施しています。一年かがりで計画的に研修と実践に挑戦して頂いておりますが、私が研修で伝えたことを受講生が現場で研修を実践するといったことを繰返しながら、彼らに力をつけてもらいます。緊張しながら研修にトライされているようですが、楽しそうにやられているので安心しています。

 ファシリテーター養成の目的は二つありまして、一つは“研修を社内で繰返し実施することによる知識・スキルの定着”です。忘れそうになった頃に研修を実施して思い出してもらうことを狙いにしています。いま一つは、“次世代リーダーの育成”です。本来一番鍛えられるのは、研修を実施するファシリテ―タの方々です。将来組織やチームを動かす為の練習を今から積んでもらいます。

 時々弱音を耳にすることもありますが、悩みながらも成長しているといった感じを私は受けています。

 《人の個性こそが差別化の最大のポイントである》