《ポジティブ思考?》

 人がある行動をして身体に刺激を受けたとき、それが報酬系を刺激するか罰系を刺激するかは大脳、つまりは本人の意思によってコントロールできるのである。同じ行動でもそれを意思がどうとらえるかで、身体に与える影響は変わってくる。
 このことは、とりあえず私たちにポジティブ思考の大切さを教えてくれる。『身体にいい』『自分にとってプラスだ』『きっとよくなる』など、プラスにものごとを考えるのは決して観念的にいいだけでなく、実際に身体にいい作用を与えるということだからだ。ものごとをプラスの方向にとらえていくことは、心を落ち着かせるだけでなく、直接身体を健康にするのである。
 人が同じものごとに出合った時、それを報酬系で処理するか罰系で処理するかを自由に選べる権利があることは、人が生き方の自由をもっているともいえるだろう。元気にイキイキと過ごしたいと思えば、意識的に自分でその選択を行えばいい。逆に考えれば、いまつらい生き方をしている人は、自分自身がどこかでその選択を行っている場合が多いのだ。
 最近は、ポジティブ思考の反動からか、マイナス思考を勧める本も増えている。中身を見れば、ポジティブ思考だけじゃダメなんだ、というのはネガティブ思考的な、悲観的な考えをすればいいということではない。いまのような時代は、なんでもポジティブ思考で乗り切ろうとするのは危険だ、ということである。『がむしゃらに頑張れば成果がでる』という考え方はそろそろやめるべきじゃないか、ということだ。

 ポジティブ思考・ネガティブ思考、あなたはどのようにとらえますか!