《譲り合い》

 アメリカの社会心理学者、ロバート・チャルデ―ニ氏の記事からで、『承諾』についてです。

 道を歩いていると、年のころ11・12歳の少年が私に近づいてきました。その少年は自分の名を名乗ると、自分は今度の土曜の晩に開かれる恒例のボーイスカウト・サーカスのチケットを売っているのだと言いました。1枚5ドルでチケットを何枚か買ってほしいと言うのです。土曜の晩をボーイスカウトと一緒に過ごすなどというのはまっぴらですから、私は断りました。するとその少年が言いました。『そうですか。じゃあ、チケットを買わないんだったら、チョコバーを買ってくれませんか。一本たったの1ドルなんです』。私は、二本買ったのですが、注目に値することが起きたことにすぐ気がつきました。
 なにせ、次のような事実があるのですから・・・・・。
① 私はチョコバーが好きではない。
② お金はとても好きである。
③ 私は二本のチョコバーを手にしてそこに立っている。
④ 少年は私の二ドルを持って立ち去った。

 興味深いですね。少年と教授との間に何が起きたんでしょうか。
 是非考えてみてください。