《ハインリッヒの法則》

 『ハインリッヒの法則』は御存知の方も多いと思いますが、アメリカの大手保険会社の部長だったH・W・ハインリッヒが1929年に発表した労働災害における経験則である。
 『一件の死亡、重傷等の重大災害が発生する背景に、29件のかすり傷程度の軽微な事故があり、その背後にはヒヤリとしたりハットしたりした300件の潜在的事故(無償災害)がある』という。
 だから、『ヒヤリハット』に気づき、事前に対策を講ずれば、ほとんどの事故は予防できるわけである。小さなシグナルを読みとれば、将来の大事を読むことができるし、大半の失敗や事故、トラブルは防げるだろう。
 医療・介護の現場でも同様のことが起きています。研修では、ロジックツリーなどの考え方に基づいて事故対策をみんなで話し合ったりしますが、ポイントをまとめると次のようになります。

 ロジックツリー構築のプロセス
① 一覧・一望・・・・事実をしっかり見る。
② プロセス再現・・・プロセスを再現し、見える化する。
③ 現場調査・・・・・改めてその場に立ち、手に触れる。
④ 事を大きく・・・・些細な事を、おおごとにしてみる。
⑤ 変える・・・・・・何でもよいから変えてみる。やってみる。

 あえて付け加えると、この作業を当事者だけでなく皆でやってみる。