《最近の給与体系》を考える

 平成8年に賃銀総研グループに加入しして、早いもので10数年が経過しました。その間、給与体系の提案・人事考課制度の構築・目標管理制度の導入・ビジネスコーチングと人事全般のコンサルテ―ションを行ってきました。
 そんな中で、給与体系を取り上げてみても随分と変化していることが実感されます。当初は、弥冨方式の抱えていた体系上の次のような問題点を改善するというアプローチでスタートをしました。
※ 問題点
  ①高卒初任給と大卒初任給の各カーブが連続しなくなった。
  ②高学歴優位の体系となっていた。
  ③『調整年齢』が硬直的で、かつ設定基準が不明確だった。
  ④成績評価が貧弱で使用に耐えず。
  ⑤多種多様な職種・業態に応じた複線型賃金システムに対応しきれなかった。
  ⑥定期昇給額が過大となり、政策判断の入る余地が少なかった。
  ⑦賃金以外の能力開発、評価、配置(異動)等がトータルシステムとして捉えられていなかった。
  ⑧提唱後30年以上経過し、制度疲労が大きくなった。

 改善の内容としては、年齢給、勤続給を排し、100%実力給の体系とした。基本給は、新本給、新資格給(昇格給)の構成である。なお、新本給の中に年齢調整不要の仕組みが設定してあり、新資格給(昇格給)の活用で学歴格差の解消、複線型賃金システムの対応を可能とした。

 平成8年当時は、以上の体系で十分対応が可能でしたが、特に“リーマンショック”以降給与体系に更なる変化が起きています。
 次回、最近の体系の特徴について触れたいと思います。