《福祉経営を考える》

 今月は、幹事をしている社会福祉法人(老人福祉)とNPО法人(障がい者)の監査と理事会に出席しました。財務状況は良好なのですが、組織経営と組織の管理という面で色々と考えることがありました。

 御存知のように平成12年に介護保険制度が導入されて早いもので10年以上が経過しました。途中制度改正を重ねて現在に至っていますが、各施設の状況も導入当初は“護送船団方式”による【組織の管理】といった印象がとても強かったのですが、最近はそれぞれの施設の個性が出てきてるように感じます。いわゆる各組織の経営戦略の違いが差として見えるようになってきているのだと思います。

 そこで、【組織の永続】の為にすべきことは何か!ということになるわけですが、まずは“人・物・金”の蓄積が考えられます。理事会等福祉の現場では“財産の蓄積”を、あまり歓迎しない雰囲気があるのです。介護保険導入以前は、措置費として税金が投入され使い切りが慣例となっていたことが未だに影響しているのではないかと思います。使い切るという【管理的思考】からコストパフォーマンスを重視した【経営的思考】に役員・幹部職員は頭を切替えることが大切だと感じました。

 あるトップの方が『私が在職している間は盤石な運営が出来ると思うけど、いずれ後輩たちに引継ぐことになるし、彼らが10年先20年先安定した経営が出来るよう考えている。』とおしゃっていました。

 『お金を貯めるのは難しい。使うのは簡単』なんでしょうね。