《原因と結果の法則》ジェームズ・アレンより

 不注意な人間、無知な人間、怠け心をもつ人間は、表にあらわれた『結果』だけに目を奪われ、その背後に存在する『原因』を見ようとしないために、あらゆる成功を、幸運、運命、あるいは偶然などという言葉で片づけようとしています。富を築きあげた人、知性にあふれた人、神のような人格を備えて大きな影響力を手にしている人たちを見て、かれらは言います。

『あの人は、なんて幸運なんだろう!』 『なんて恵まれているのだろう!』 『なんて良い巡りあわせにあるのだろう!』

 かれらは、それらの運の良い人たちが、より良い人生を夢見て流し続けてきた『血と汗と涙』の部分にはけっして目を向けません。それらの人たちは、強い信念を維持し、数々の犠牲を払い、粘り強い努力をつづけてきた人たちなのです。そうやって理想の実現めざして、様々な困難をみごとに乗り越えてきた人たちなのです。

 しかし、大多数の人は、そういった『影』の部分には目をくれようともしません。かれらはただ、『光』の部分だけを眺めているのです。長く厳しい旅の中身には目もくれず、喜びに満ちた最終結果のみを眺め、それを幸運の一言で片づけているのです。過程を理解せず、結果のみを捉え、それを偶然の産物だなどと言っているのです。そんな人たちのもとには、いつになっても幸運は訪れません。

 人間が達成するあらゆる成功が努力の結果です。そして、努力の大きさによって結果の大小が決定します。そこにはいかなる偶然も介在しません。物質的・知的・精神的達成のすべてが、努力の果実なのです。

 あなたが心の中で賛美するあなたのビジョン・・・・・・・・・あなたが心の中の王座につけるあなたの理想・・・・・・・・・それにしたがって、あなたの人生は形づくられます。それこそが、あなたがやがてなるものなのです。