《人事考課エラーⅡ》

 引き続き人事考課エラーについて考えてみたい。

※先入観エラー
 私たちは、情報は客観的に収集されていると考えています。しかし、実際はそうではなく、情報は選択的に収集されています。人は、自分が過去に行った選択を肯定するような情報を探し求め、過去の判断と矛盾する情報は軽視します。また、自分の先入観と一致する情報は額面どおりに受け取る一方、こうした先入観に反する情報に対しては批判的になり、疑いの目を向ける傾向があります。ですから、私たちが収集する情報とは、通常、既存の先入観に偏ったものとなります。

 人は、自分の先入観を肯定してもらえるような情報が手に入りそうなところを検索する傾向にあることから、情報の収集先が特定されてしまうおそれが高くなってしまいます。また、自分が信じる情報に対する補足情報に過度の重きを置く一方、矛盾する情報に対してはほとんど目を向けないのです。

 人を評価する際にもこのようなエラーが発生すると考えられます。先入観・思い込み・固定観念といったものが評価に影響をあたえます。事実を客観的に評価するよう留意したいものです。