《能力ある者ができるのではない!》

 【保持能力】と【発揮能力】について考えてみたい。

 社内では、『そろそろ俺も課長にしてもらっていいだろう。当然その程度の能力はあるし、昇格基準も満たしているはずだ。』このような声が時々聞かれます。一方経営者からは『昇格だ・昇進だとこんな話をいくらしてもみても、船は進まないし、会社が良くなるはずがない。我々中小企業では、一人ひとりがどれだけの実績を上げたかが問題だ。皆の能力が上がり上へ上へと昇格していったが、船が沈んでしまったというのでは話にならない。』と言われる。
 全くその通りである。成果実績主義の成績評価の思想そのものであり、全く異存はない。ただし、制度的に階層があって上位階層への昇格の道が示されており、一つのリワードとして機能していることも事実である。
 【保持能力】能力があり技術資格や国家資格があることそれ自体が評価される。人の潜在能力は比べようがないし、比較もできない。協調性や積極性、責任感もそれ自体では意味がない。【発揮能力】それらの能力があったがために、どれだけの成果・実績を残したのかが問題なのだと思います。
 
 ①能力がある者      ⇒ 成果・実績を上げてくれるはずだ。
 ②成果・実績を上げた者 ⇒ 確かに実力を持っている。

 中小企業では、②の立場での成果実績中心の実力主義でいかざるを得ない。そして、《結果の平等ではなく、チャンスの平等》と唱えています。このような立場にたつ会社が、永続と成長を勝ち取るのだと考えます。