《人事は評価にはじまり、評価に終わる》Ⅲ

 引き続き『新・実力給と業績年俸制のすすめ』より人事評価制度について書きます。

 ここでは、中堅中小企業の評価制度をどうするかをテーマとして考えていきたい。今の今でも、中堅中小企業の人事スタッフや役員の中に、大きなジレンマが残っている。それは、『職務分析』をやらないと等級制度が組めないという考え方であり、また、その等級に応じた『能力評価』を『絶対評価』としてやらなければならないという『呪縛』に今でもとりつかれていることである。

 この『呪縛』を早く断ち切って頂きたいし、理論的な?『うしろめたさ』も一掃してもらいたい。新しい原理原則に立ってもらいたいところである。

 あまりにも環境変化が激しいし、取扱い商品も、生産工程も変更につぐ変更が重ねられ、その変化のスピードは増すばかりである。三年ひと昔が一年ひと昔の急激なスピードで社内外の環境が変化している。このような中で、中堅中小企業は、新しい実力主義の考え方に立つべきであろう。それは、成果実績中心の実力主義である。

①能力がある者は実績をあげるはずだ。
②成果実績をあげた者は実力があるはずだ。

 中堅中小企業では、②の考え方に立たないと生きていけない。『職務分析の研究』や『能力評価の研究』の成果は、大いに活用させてもらいながな、『成果実績中心主義』を最重視していきたい。その方法としては、年二回の実績評価を先行させ、その実績評価をふまえて、能力評価を行うやり方を大事にするということである。『分析的能力評価から成果実績主義による実力評価へ』というのが大原則である。極論をすれば、年二回の実績評価だけを行い、能力評価はスキップしてもいいくらいである。

 次回に続く。