《大脳は仮想体験と実体験の区別ができない》

 新鮮なレモンを思い浮かべてください。今、目の前にそのレモンがあるとしましょう。つまみ上げたらどんな感触が伝わってくるでしょうか。
 次にナイフを取り出して、スライスを一枚切り出してみましょう。果汁のほとばしるかすかな音が聞こえます。スライスを鼻先に近づけて香りを楽しんだあと、かじってみます。すると、レモンのピリッとした酸味が口中に広がっていきます。
 以上を実際に想像していたとしたら、今あなたの口内に唾液があふれていませんか。どうしてか?それは大脳が指令に従って、レモンを思い浮かべ、眺め、耳を澄まし、触れ、においを嗅ぎ、味わったからなのです。感覚による情報を思い出すことによって、レモンに関する全体験が再現され、再現したレモンに身体が反応したのです。
 大脳は想像上のレモンを本物であるかのように扱い、その消化を促す唾液を分泌したのです。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚は、大脳に備わった天性の言語です。大脳には各感覚を司る専門領域があり、それぞれを処理しています。これらの感覚をNLPではモダリティーと呼びます。こうしたモダリティーが用いられると、かつて本物のレモンを体験した時と同じ神経回路にアクセスする為に、結果的にあなたの大脳は、本物の体験として扱うのです。
 イメージ化やイメージトレーニングの重要性を表しています。