《意識レベルの限界》

 前回に引き続き《意識》について考えてみたいと思いますが、M・チクセントミハイが興味深いことを本に書いていますのでご紹介します。

 現在の科学は、中枢神経系がどのくらい情報を処理できるかを見積もることがようやく出来始めたところである。我々は一時にせいぜい7ビット(例えば1枚のコインによる占いの結果は1ビットの情報量)の情報・・・・・・異なる音や視覚的刺激、認知可能な情報や思考のニュアンスの差異など・・・・・しか処理できないようであり、1組のピットを他の組から区別する最短時間は18分の1秒程度らしい。この数字を使えば、最大1秒間に126ビット、1分間に7560ビット、1時間にほぼ50万ビットを処理できることになる。1日16時間起きているとすれば、70年の生涯で処理する情報量は、1850億ビットになる。
 他者が何を話しているかを理解するには毎秒40ビットの情報を処理しなければならないということは、意識には限界があるということを示している。我々の最大情報処理容量を1秒当たり126ビットと仮定すれば、同時に3人の話を理解することが可能ということになるが、それは他の全ての思考や感覚を意識から閉め出すことによってのみ可能となる。例えば話し手の表情を感知したり、話し手が言っていることについて何故そうなのかを考えたり、彼が何を着ているかに注目したりすることはできない。  M・チクセントミハイ “フロー体験”より

 聖徳太子は7人の話を同時に聞くことができたといいますけど???