《新型コロナ先人に学ぶ》

 大阪大教授・・・仲野 徹先生の投稿記事ぺの抜粋

 ペストをはじめ、いくつもの疫病が人類を恐怖に陥れてきた。コレラもその一つだ。1854年、不潔極まる都市ロンドンでコレラが流行を極める。医師ジョン・スノウは丹念な調査を行い、瘴気(悪い空気)などではなく、特定の井戸の水が原因であることをつきとめる。その使用を禁じたことにより、コレラ禍は一気に終息に向かう。

 スティーブン・ジョンソンのノンフィクション『感染地図・・・歴史を変えた未知の病原体』は、まるでミステリーのような面白さ。原因が細菌であるということなど全くわからずに、コレラ菌を抑え込めたのは驚くべきことだ。今回の新型コロナウィルスでもそうだが、疫学の威力は偉大である。

 もちろん、感染症の予防において知識以上に重要な武器になるのは実際のワクチンである。18世紀の末、人類初のワクチン、種痘が英国のジェンナーによって開発された。半世紀たって、その種痘がようやく鎖国中の日本に渡り、種痘は瞬く間に全国へと広まった。

 未知のことが多い新型ウイルスゆえにベストの方策がわからず、混乱が大きくなっている面もある。今やパンデミックが宣言され、健康面だけでなく経済的にも人類が脅威にさらされている状況だ。

※私の住んでいる町でも、通常この時期は謝恩会等で賑わっている飲食店も閑古鳥が鳴いているようです。経営者からは悲痛な声が聞こえてきます。